シールドルームとは
電磁波を遮断(シールド)することができるので、シールドルームの内部で、電磁波を放出する機器を使用した実験や測定を行うことが可能です。
技術適合証明書を取得していない無線機器の電波放出は、総務省により規制されており、その内容に則って測定のシールド環境を整える必要があります。
シールドルームの用途
シールドルームは、電磁波を放出しながら、機器の解析や実験、測定を行いたい場合や、一部のEMCエミッション試験等を行う場合に必要となります。内部の電磁波を外部に出さないだけでなく、外部環境の影響を受けずに測定することができます。
オフィスにも導入できる 2m 角 サイズ
シールドルームの構造
弊社では、2mm厚の亜鉛メッキ鋼板を折り曲げたパネルをボルト・ナット締めして6面を仕上げるパンパネル工法のシールドルームを施工しています。14 kHz ~ 40 GHz の広帯域に対応し、90 ~ 100 dBの高シールド性能を発揮します。サイズやレイアウトは、ご希望に合わせて製作いたします。
次の項目に当てはまる場合には、簡易型シールドルームとして、シールドテントをお勧めしています。
- 建屋の2階以上に設置したいが、搬入用エレベーターが無い、或いは小さい
- フロアの耐荷重が低い
- 搬入経路が狭い
パンパネル工法のシールドルームは、ビス打ちや溶接、接着剤を使用せずに施工するので、材料を傷めずに解体することができ、移設にも全く問題なく対応できます。
サンドイッチパネルと呼ばれる木板に 0.8 mm 程度の薄い鋼板を接着したパネルを使用したシールドルームも、大変ポピュラーな施工ですが、解体してみると木板が湿気で傷んでいたり、こもった湿気により鋼板に錆が出てしまっていたりと、移設するには材料のクリーニングや交換が必要になることが多く、最悪は廃棄せざるを得ない場合もあります。シールドルームは、材料同志のつなぎ目がしっかりと電気的につながり、導通が取れている必要があります。錆や、接着剤の残り等があると、シールド性能は著しく悪化するため、再利用が難しく廃棄となります。
再利用可能な材料を積極的に採用していく努力は、環境のためにも大変重要ですし、結果的に経済効果の高い投資であることは、間違いありません。
中古材料(電波吸収体や接着剤が残っていたり、金属部が剥がれたりしています。)
新品材料
シールドルームのドア
シールドボックス等の小さいエンクロージャーと同じく、ドアはシールドルームのシールド性能に最も影響を及ぼします。鋼板で造られたシールドドアは、その重量を支えるヒンジ、ロック部、ガスケットの接触部等、それぞれの部品がバランス良く配置され、ドアを閉める時に、接触部に均等に圧力がかかる様に設計されています。特にフランコニア(ドイツ)社のシールドドアは、3重のシールド構造(接触部)を持ち、広帯域(14 kHz ~ 40 GHz)に高シールドを実現しています。
3重シールド構造
シールドルームのオプション
1. 内部LED照明 *ノイズ対策品
2. 換気ファン *シールド対策品(ハニカム構造)
3. 電源ラインフィルター・絶縁トランス
4. I/Oインターフェース・貫通パイプ
5. 防災設備 *設置場所によっては、不要な場合もあります。
いずれも、ご希望のスペック(使用周波数帯・測定用途)に合わせて、ご用意いたします。
LED照明
換気ファン・ハニカム
電源ラインフィルタ・絶縁トランス
I/Oインターフェース・貫通パイプ
防災設備