ノイズの発生源・伝搬経路・被害機器

ノイズによるトラブルを考える場合、原因をやみくもに探すのではなく、「ノイズの発生源」「伝搬経路」「被害機器」の3つに分けて整理すると、対策すべき箇所を見つけやすくなります。
① ノイズの発生源
まず、どこからノイズが発生しているのかを確認します。
モーター、インバータ、スイッチング電源、リレー、デジタル回路、無線機器など、電圧や電流が急激に変化する機器はノイズの発生源になることがあります。
ノイズ対策では、可能であれば発生源の近くでノイズを抑えることが基本です。フィルタの追加、シールド、配線の見直しなどによって、周囲へ放射・伝導するノイズを低減します。
② ノイズの伝搬経路
発生したノイズが、どのような経路で他の機器へ伝わっているのかを確認します。
ノイズの伝わり方には、空間を電磁波として伝わる放射ノイズと、電源線や信号線などのケーブルを経由する伝導ノイズがあります。
そのため、発生源だけを見るのではなく、電源ケーブル、信号ケーブル、接地、筐体の隙間など、ノイズがどこを通っているのかを確認することが重要です。
③ ノイズの影響を受ける機器(被害機器)
最後に、ノイズによって誤動作や通信エラーなどが発生している機器を確認します。
センサー、通信機器、測定器、制御回路などは、ノイズの影響を受ける場合があります。
被害機器側では、シールド、フィルタ、フェライトコア、配線変更などによって、ノイズを受けにくくする対策を行います。
どこを対策すればよいのか?
ノイズ問題では、必ずしも発生源そのものを完全になくす必要はありません。
「発生源でノイズを減らす」
「伝搬経路を遮断する」
「被害機器をノイズから守る」
この3つのうち、最も効果的で実施しやすい箇所を見つけて対策します。
例えば、ノイズの発生源をシールドボックスで囲って症状が改善する場合は、空間を伝わる放射ノイズが原因である可能性を絞り込むことができます。
一方、シールドしても症状が改善しない場合は、電源線や信号線などを経由した伝導ノイズの可能性についても確認する必要があります。
このように、発生源・伝搬経路・被害機器の3要素を一つずつ切り分けて確認することが、ノイズ問題の原因特定と効果的な対策につながります。